たった一人で飛び出すもの

この年末年始は自宅で過ごす、ということだけが決まっていた。帰省にかかる交通費が浮く分、ちょっぴり出来る贅沢だもんね♪と手に入れたシルク・ド・ソレイユ【ZED】のフロントビューチケット。もちろん生で見るのは初めて。早目に着いて会場の雰囲気はもちろん、とにかく値段分は楽しまなきゃ!と貪欲さいっぱいで舞浜のシアターに向かった。

電車の友には【今日の芸術】岡本太郎著。川崎市民ミュージアムで数年前に購入したダイジェスト版で、本というよりは冊子。初版が出版された年に製作された【青空】という作品が表紙だ。薄っぺらで嵩張らず、字が大きいので、こういう時にはもってこいである。
タイトルから内容を想像してしまうと手に取りにくい書であるが、読む度に背中を押してもらえたり、間違いを教えられたり、考えさせられたり。芸術論であり、哲学書でもあり、開けば何かしら与えられるものがある。その中のくだりのひとつが【たった一人で飛び出すもの】新しいことをしでかそうと常に思い、自分を信じて実行するのは簡単なことではないが、モノを創る人である以上はどんな時にも忘れずにいたい一行である。
余談…この本を読んでからシルク・ド・ソレイユを見ると、これは芸術なのか、芸能なのか?と変に考えてしまう。舞台のパフォーマンスというものはきっと両方の要素を持っているのであろうが。