ターミネーターの如くざっと状況把握を試みた。小さな間口の横でパソコンに真剣な眼差しを向けているのが店主だろうか。店の奥行きはそれほどなさそうだがファイヤーキングやパイレックスの食器達が一応分類されて所狭しと積み上げられている。アットホームな雰囲気の雑貨屋に若い男性スタッフ独り、というのはそう若くもない女子の立場からするとちょっぴり入るのを躊躇わせるものがある。相手にされず冷たい空気が流れるのも嫌だし、ウンチク並べられて一方的に喋りまくられるのも辛い。でも彼ったら仕事してる振りをして正面に自転車が停まったぞ♪と内心喜んでいるかもしれない。なのに立ち去られたら気分悪いだろうな~、落ち込むかもな~、なんて知らない相手に妙に気を遣いながらエイや!と扉を押したのだった。