3000円のコストパフォーマンス

京都は先斗町辺り。繁華街でありながらも何となくほっこりとした雰囲気なのは古都マジックか?
胃が少々疲れ気味だったのでホテルのフロントで【和食系の気楽なお店、ないですかね?】とリクエストした。残念ながら紹介されたところは所謂【老舗割烹】で、その日の気分にしっくり来なかったので仕方ない、高瀬川沿いを夕涼みしながら己の感覚を頼りにごはん処を探すことにした。

「どーしよー、もうちょっと歩いてみる?」食べたいものもよくわかんなくなってきた。いい加減探すのに疲れてきていたその時!その看板が目に飛び込んできた。
【イタリア料理プリフィックスコース 3000円】前菜、パスタ、メイン、デザート、コーヒーまで付いてこのお値段。選べるメニューの内容も悪くない、と言うか失敗しそうのない料理が並んでいる。カプレーゼ、肉や魚のグリル、ラザニア…日頃は私のレストランリサーチを全く信用しない相方だが、まぁこの辺りのイタリアンなら大丈夫だろうと判断したのか。今日のディナーは夜景が自慢、イタリア人も足繁く通う、しかも安いというこの店に決定した。ダメ押しとばかり看板の脇に10%割引券が置いてあるではありませんか。「ひゃ〜、これ持ってけば更に安くなるの?」【安くてお得】にめっぽう弱い私はこんな値段でやっていけるのかしら?などと余計な心配もしつつ、いい拾いものをした気分だった。

18:30 席に案内される。即、3000円のコースとドリンクをオーダー。すぐにドリンクとパンがテーブルに到着。広い厨房。店内の客は5組ほど。

19:00 動きなし

19:10 パンも会話もなくなってきて間が持たなくなってきた。前菜を催促

19:30 前菜到着。カプレーゼとタタキサラダだったので何に時間がかかったのか不思議。

19:40 サービスと言って小皿のお通しのようなものを持ってきた。「もっと早く持ってこれるだろうに…」と思いながら一皿選ぶ。ワインなんてもう飲みおわってしまった。

20:10  動きなし。店員を呼ぶ。「まだだいぶ時間かかりますか?21:00位には帰りたいんですけど…」「わかりました、急ぎますね!」何だかこういう対応に慣れている感じがした。

20:30 ラザニア到着。グツグツ言ってない。チンだ。こんなに待たされたのに…

20:50 メイン料理到着。肉と魚のグリルを一皿づつ。ちょっと生臭い。また食べたいとは思えなかった。

21:00 デザートとコーヒー到着。やれば出来るんだね、と会話しながら頂き、とっとと退散。他のテーブルをちらりと見やると前菜止まりのところ多数。ちょっと優越感(笑)

お店のロケーションや雰囲気は悪くない。スタッフが妙にクレーム慣れしている感じがしたが対応は悪くない。(常識的な範囲であれば)多少時間が掛かっても「これなら許せる」と言うくらいの逸品が出てくるなら、少しは心を広く持って楽しめたかもしれない。あ、もしかすると3000円のサービスというのはこの程度までなのだろうか?
帰り際、エレベーターの前まで店員が見送ってくれた。ドアが閉じたとたん相方が口を開く。「勝手に帰るから旨いもん食わして欲しいよな…」